Y+W邸

 茅ヶ崎市に建つ二世帯住宅です。海岸沿いから800mほど内陸に入ったところにある敷地周辺は、砂質の沖積低地で、緩やかな起伏をもった平野となっています。海が近いこともあって、マリンスポーツを楽しむ人たちが、屋外で集まることを暮らしの一部とするような、住宅の内外をさまざまな人が出入りする気配を感じる環境でした。

小舞台のパノラマ
 夫婦それぞれの仕事と、母の暮らし、子供たちの遊ぶ様子などが関係しあう、この家族固有の生活の出来事と場所の関係から住宅をつくることができないかと考えました。家族や訪れる人たちそれぞれの生活の小舞台が、次々と連なるようにつくられたこの住宅では、それぞれのヒトやモノの振る舞いが、敷地・まち・周りの環境へとパノラミックに展開していきます。

生活ダイアグラム
 家族の1日の暮らしを、縦軸に登場人物と横軸に時間をとったダイアグラムに表現してみることした。誰と誰がいつどのような活動を行なっているのかや、誰と誰がどこで過ごしたいと思っているのかなど、家族を取り巻く生活の 出来事と場所の関係が立ち現れてきた。そういった小さな居場所を寄せ集めるようにして、住宅をつくることができないかと考えている。

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主要構造:木造
所在地:神奈川県茅ヶ崎市
主要用途:兼用住宅
敷地面積:168.5㎡
建築面積:75.2㎡
延べ床面積:139.2㎡
設計期間:2021年3月〜2022年3月
施工期間:2022年5月〜2022年11月予定

設計監理:冨永美保・市川竜吾・伊藤光俊/トミトアーキテクチャ
調査補佐:牧迫俊希・堀口まきの/トミトアーキテクチャ
構造設計:鈴木芳典/TECTONICA INC.
施工:村上敬・谷中隆仁/村上建設
模型製作:畠山亜美/トミトアーキテクチャ
模型写真:市川竜吾